“あなたらしい”ストーマライフのために
ストーマに関する情報
-ストーマケアのQ&A-
ストーマケアのポイントを教えて!
ストーマケアでよくある質問を、Q&Aにしました。日常のケアの参考にしてみてください。
- Q1.
- 面板のカットサイズは、どのくらいにしたらいいの?
- A1.
- ストーマの根もと(ストーマ基部)のサイズより、2,3mm程度大きくカットしましょう。
ただし、姿勢でストーマサイズが大きく変化する、ストーマがむくんでいる時には、この限りではありません。
- Q2.
- 装具は、どのくらいの間隔で交換したらいいの?
- A2.
- 皮膚保護剤が溶けると、皮膚保護性が低下して、排泄物が接触しやすくなり、皮膚障害を起こすことがあります。
各メーカーが提示している交換目安を参考にしますが、面板の溶け幅(白くふやけた部分)が、1cm程度のところで、定期的に交換しましょう。
- Q3.
- 洗っても皮膚がベタベタする時どうしたらいいの?
- A3.
- 洗浄料を使ってよく洗浄した後に残るベタベタは、溶けない粘着材で、それには排泄物や細菌はあまり含まれません。
そのため、あえて除去する必要はありません。気になるようであれば、あらかじめ粘着剝離剤を使用してはがすことをお勧めします。
- Q4.
- ストーマ周囲は洗っても大丈夫?
- A4.
- ストーマ周囲には、排泄物の汚れなどが付着しています。泡立てた洗浄料で、やさしくなでるように洗いましょう。
くれぐれもタオルなどでゴシゴシこすらないように。
- Q5.
- 皮膚を乾かすのに、ドライヤーを使ってもいい?
- A5.
- ドライヤーは、皮膚をいためますので使用せず、タオルなどでやさしく押し拭きしましょう。
排泄物がすぐ出ない状況であれば、すぐに装具を貼らずに、空気にさらしておくのもよいでしょう。
- Q6.
- 装具を上手に貼る方法ってある?
- A6.
- 背もたれのある椅子に浅く腰かけ、足をのばしお腹を突き出すようにすると、しわがのび、貼りやすくなります。
平面型や柔らかい凸面型装具では、面板を軽く折り曲げて、ストーマ粘膜の下縁より2mm程度下と、面板開孔部の縁を合わせて、かぶせるようにして貼るのもよいでしょう。
- Q7.
- 面板外周にテープを貼れば漏れを防止できますか?
- A7.
- 面板の下に排泄物がもぐり込んだ状態が長引くと、皮膚障害を引き起こします。面板外周に使用するテープは、あくまで外縁のめくれを防止するものであって、漏れを防止するものではありません。
漏れが続く時は、装具やケア方法が適切ではない可能性がありますので、ストーマ外来での相談をお勧めします。
- Q8.
- ツーピースの袋は、洗って使いまわしても問題ない?
- A8.
- ストーマ袋は、ニオイ分子の通過が遅い材料が使用されています。しかし、1度使用すると、洗ってもニオイ分子がストーマ袋の表面に達し、におい漏れが生じます。そのため、面板と一緒に交換しましょう。
- Q9.
- ストーマ装具はどこで管理したらいい?
- A9.
- 押し入れなど、あまり温度や湿度の変化のない場所に保管しましょう。皮膚保護剤は、温度や湿度により溶けたり、ひび割れなど変形することがあります。
ストーマサイズが安定したら、極端に買いだめするのではなく、給付券の時期に合わせて、2,3ヶ月毎を目安に注文するとよいでしょう。
- Q10.
- ストーマ装具はどこに捨てればいいの?
- A10.
- 袋の中に排泄物が入っている場合は、排泄物をトイレに流した後、新聞紙やビニールで包んだ後、地域のゴミの分別に従って廃棄しましょう。
廃棄処理に関わる人のことを考えて廃棄しましょう。
トラブル時の対処などを教えて!
よくあるストーマ周囲皮膚のトラブルについてのQ&Aです。参考にして、必要な時には必ず医療機関を受診しましょう。
- Q1.
- 面板を貼っているところに傷ができてしまった、どうして?
- A1.
- 面板(皮膚保護剤やテープ)を勢いよくはがすと、皮膚の表面(角質層)がいたんでいき、それを繰り返すことで、傷をつくる原因となります。また、ストーマ周囲皮膚がかゆかったり、しっかりと粘着した皮膚保護剤をはがそうと、皮膚を強くこすったりすることも、皮膚障害を起こす原因となります。
皮膚と面板の間を濡らして皮膚側を押し下げながらゆっくりやさしくはがすか、粘着剝離剤(リムーバー)をつかって丁寧にはがしましょう。
面板は製品によって粘着力が違います。毎日交換をする、漏れなどにより交換予定日より早く交換する、皮膚が弱いなどの場合は、粘着剝離剤(リムーバー)を使用することを勧めます。
- Q2.
- 面板を貼っている部分の毛はどうしたらいい?
- A2.
- 面板をはがす時に毛が一緒に抜かれると、毛嚢炎を起こす時があります。面板やテープを貼る部分の毛は、短くしておきましょう。
- Q3.
- 面板を貼っているところだけ真っ赤になってしまったのは、なぜ?
- A3.
- テープや皮膚保護剤によるアレルギー反応が考えられます。勢いよくはがしたりなどの刺激をいつも受けていると、皮膚表面(角質層)が薄くなってしまい、テープの粘着材や皮膚保護剤の成分が皮膚に吸収されやすくなり、長年使っている装具でもアレルギー反応を起こす場合があります。赤くなっている部分が、皮膚保護剤の部分か、テープの部分かを確認して、テープを中止したり、皮膚保護剤の変更をしたりします。
赤味の程度が強い場合には、自己判断せず、ストーマ外来やかかりつけ医に相談しましょう。
- Q4.
- ストーマ周囲に軟膏を塗るように言われたけど、どうしたらいい?
- A4.
- 軟膏には油分が含まれているため、塗った後、すぐに面板を貼ることができません。皮膚を清潔にした後、軟膏を塗り、すぐに装具を貼らずに、30分以上して軟膏の成分が皮膚に吸収されたら、洗浄料を使ってもう一度ストーマ周囲を洗浄し、軟膏の油分を落としてから面板を貼りましょう。同じ薬効でローションタイプの外用薬がある場合には、ローションタイプで処方してもらうとよいでしょう。
- Q5.
- ストーマ周囲の皮膚がただれてしまった、どうして?
- A5.
- 便や尿などの排泄物が皮膚に接触すると、排泄物に含まれる消化酵素や細菌によって皮膚にダメージが加わり、そのまま一定時間放置すると、皮膚障害が発生してしまいます。水様の便は特にアルカリ性の消化酵素を多く含むため、短時間でも皮膚障害を発生させてしまうことがあります。
皮膚保護剤は、酸性環境を作ることで皮膚損傷を軽減します。しかし、皮膚保護剤が溶けすぎると、効果が低下し、皮膚保護力は低下してしまいます。ストーマ装具を交換する時は、必ずはがした装具を観察して、皮膚保護剤が1cm以上溶けている時には、次の交換予定を1日早めるなど、排泄物が皮膚に接触することを避けましょう。
- Q6.
- ストーマ周囲の皮膚が黒ずんでいるけど、大丈夫?
- A6.
- 皮膚が黒ずんでいるのは、色素沈着といい、様々な皮膚のトラブルが長期間に渡った結果です。他にも、色素脱色や、肥厚(皮膚が厚く盛り上がっている状態)などが起こりえます。慢性の皮膚障害は急速に治癒しません。
ストーマ外来やかかりつけ医に相談しながら、原因を確認し、それぞれの状況に応じたケアを根気よく行っていくことが大切です。